損害のてん補・損益相殺
1 損害のてん補・損益相殺
交通事故の損害賠償請求事件において、被害者の損害がてん補されたと評価される場合、当然ながら、その分は、損害額から控除されます。
また、損益相殺(そんえきそうさい)とは、不法行為等で損害を被った者が、同じ原因で利益を得た場合、損害額から利益分を控除すべきであるという原則をいいます。
2 損害のてん補・損益相殺の対象
(1)対象となる場合
交通事故被害者が、自賠責保険金や任意保険金の支払いを受けた場合や、社会保険(健康保険、労災保険、年金)を受給したような場合、細かく検討すると、様々な問題点がありますが、大まかに検討すると、たいていのものは、損害のてん補・損益相殺の対象となり、その支払いを受けた分(受給した分)は、損害額から控除されます。
(2)対象とならない場合
但し、交通事故の死亡事案の場合、「葬儀関係費用」に関して、香典については、裁判実務では、損害のてん補・損益相殺の対象にしないのが一般です。
なお、この点については、「葬儀関係費用(死亡事故)」にも記載がありますので、よろしければご覧ください。